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-WORNING-
書いた人的にはあくまで風味ですが、この作品は L × 俺 風 味 です。
苦手な方はお気を付けください。

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 「『ハバネロ』? 何ですかコレ?」
 「有名な激辛スナック。なんか世界一辛い唐辛子を使ってるとか、ホラ、裏に書いてあるだろ。」
 「世界一……」
 「L、興味あるのか? やめとけよ、お前辛いもの食えないんだろ。」
 「別に、好んで食べないだけで食べられない訳じゃありませんよ。」
 「ん? じゃあ試してみるか。涙目になっても知らねぇぞ。」
 「……なりませんよ。失礼な。」
 以上、先日のコンビニでの会話。


 そんなわけで現在、俺とLの目の前には袋から出されたハバネロが小さな山を作っている。
 俺は結構辛い物好きだけれど、Lが辛いものを口にしているのは見た事がない。
 今もカルピスのコップを両手で持ったまま、あの不機嫌そうな上目遣いでじーっとハバネロをにらんでいる。
 「食えないんだったら別に意地張らなくていいんだぞ。」
 「……。」
 Lは猫背の背中をさらに丸め、コップの縁に口を付けた。視線はいかにも辛そうなオレンジ色から動かない。たった一口だけカルピスを飲んで、そのままコップの縁をかしかしとかじり始める。まったく、どこの小動物だよ、お前。
 さっきからずっとこの調子だ。そりゃこのまま見ていても楽しいけど、それにしたって埒が明かない。
 「確かに辛いけど、別に死にゃしないって。」
 そう言って俺は無造作にひとつまみ取ると、大したこと無いとアピールするようにLの方を向いてそのままぽいと口に放り込んだ。
 ……しまった。辛い。カッコつけるんじゃなかった。5つ一気は辛い。辛いからいカライ!!
 俺が缶ビールに手を伸ばすのと入れ違いに、Lがガサッとハバネロを掴んだ。清水の舞台から飛び降りる、みたいな勢いだ。でも掴んだ量が多すぎた。
 「待った、そんなに食ったら……!」
 止めるまもなく、対抗心に燃えるLはそれを食べてしまった。
 ぱくん。形のいいあごが、一回動き、二回動き……。
 次の瞬間、Lはくるりと俺に背中を向けると膝をついて床にうずくまった。背中がふるふると痙攣している。威嚇する猫みたいに髪が総毛立って、うねうねと動いている。
 ……は? うねうね?
 ただならぬLの様子に俺は慌てた。
 「だ、大丈夫か、L。とりあえずカルピスでも飲んで……」
 ヒュンとLの手が伸びてきて、俺のビールを奪い取った。
 「L、それビール!」
 警告には無反応。Lは背を反らしてごくごくとビールを飲み干した。ドンと叩きつけるように缶を置く。
 「……からい……」
 Lが振り返って肩越しに俺を見た。
 何だか様子がおかしい。
 背筋が真っ直ぐに伸びて、妙に姿勢がいい。髪の毛にゆるく癖がついている。目が据わっている。
 いや、目が据わるのはいつもの不機嫌と同じか。でも雰囲気が違う。目に力があるというか、精気が感じられるというか。まるで別人のようだ。
 そう、今、俺の目の前にいるLは、男らしくてカッコ良かった。
 「L? どうかしたのか、お前。」
 Lが俺の肩に手をかけた。そのまま仰向けに押し倒される。抵抗する暇もなかった。気付けば俺の上にLが四つん這いになっている。逆光で表情が読めない。俺は焦る。
 「おいL!? 一体どうし……」
 台詞はLに打ち消された。
 「からい。」
 はぁ? と、変な声を出そうとした俺の口をLの口が塞いだ。うすく開けた歯の隙間をするりとくぐり抜けて、Lの舌が差し込まれる。生暖かく柔らかいものが俺の舌に絡み付く。
 ちょっと待て、どーなってんだ?
 L、お前らしくないぞ、キスなんかしても辛さは薄まんねぇぞ!?
 尋常な事態じゃない事はわかったが、それでもLを引き離す事は出来なかった。 
 だって、気持ちがいい。まだ辛さで舌がヒリヒリしてるから、わずかな刺激も直接神経にくる。ざらついた舌がこすれあうだけで、ビリビリしたなにかが頭のてっぺんまで走っていく。柔らかな肉の感触と激しい電流ような刺激で頭がぼーっとしてくる。
 ってか、何よりLにキスされて押しのけられるかってぇの。
 くちゅくちゅと唾液の音が二つ響く。傾けた首が痛くなってくる頃、Lが顔を離した。口の端から垂れたしずくを指で掬う。舌を絡めて舐めとる。頬が軽く紅潮している。色っぽいのはいつも通りだけど、どこか違和感があるような気もする。
 「L、辛いのは落ち着いたか?」
 俺は上半身を起こした。Lの顔をのぞき込む。目が合う。黒い瞳の奥に、見慣れない光が潜んでいる。
 やっぱりLがおかしい。俺はどうすりゃいいんだ?
 「まだ、からい。」
 唐突にLが俺の腰に手をかけた。何をする気かと考えるより速く、Lは俺のパジャマ代わりの短パンとトランクスをはぎ取った。そこに一瞬冷たい外気が触れ、触れたと思った時にはもう別の感触がそれを包んでいた。目を落とすと、立てた膝の間にLの黒い頭がある。状況認識に時間がかかった。
 ……フェ〇されている……?
 認識してからの判断はむしろ早かった。
 うはぁやった!生きててよかった! って違う!なんだかコレは不道徳で不健全だ。状況に押し流されんのはやっぱだめだ。なんだ俺ってやっぱ土壇場で小心者でイイヒトだな、頭ん中まで伏せ字だしなっ!
 以上所要時間2秒。俺は理性にむち打って必死で声を上げた。
 「ちょっと、待った! L、おまえ、何やっ……!!」
 Lが俺の太腿の内側を思い切りつねった。痛い。声も出ない。俺、涙目になってんじゃないか?
 くわえていたものを放してLが顔を上げた。見上げる黒い瞳はもう何度も見たけれど、今日のLはまるで別人だ。
 「うるさい、だまれ。」
 Lは短くそう言った。俺はまるで蛇ににらまれた蛙だ。人間として、いや生物としての格が違う。逆らえない。
 急に血の気が引いたのがわかった。いつも蓋をして見て見ぬふりをしているけれど、Lと俺の間には大きな差がある。知力、体力、財力、立場、階級、ステータス……。多分間違いなく全部の項目で、俺はLにはるかに劣っている。一緒にいる時は忘れてしまうけれど俺はLにちっとも釣り合っていない。
 Lにかなわない悔しさではなく、自分が情けなくて、俺は唇をかんだ。
 俺がおとなしくなった事に満足したのか、Lは再び俺の股間に顔を埋めた。
 俺は思わず背中をふるわせた。Lがさっき思い切りつねった部分を優しく舐めている。灼けるような痛みをLの体温が中和していく。唇で噛まれると痛みだけを食べてもらっている気がする。甘ったるくて気持ちよくて、泣きたくなってきた。
 ……って、何情けない事考えてんだよ、俺は!?
 急に我に返って、ぶんぶんと頭を左右に振る。Lは俺にはお構いなしに、無造作に竿の部分を半分ほど口に含んだ。熱く湿った感覚が俺を包む。そのまま一気に根本までくわえ込まれる。ウェーブがかった黒髪を乱しながらLの頭が上下に動く。唇で扱かれているようだ。すぐに液体が混じり合う卑猥な音が聞こえてきた。くわえられているのはそこだけなのに、まるで全身を飲み込まれたかのように体中が火照る。
 めちゃくちゃうれしいけど、コレはやばい、意識が飛ぶ。その前にどうにかしねぇと。
 俺は天を仰いだ。どう考えても今のLは異常だ。蛍光灯をにらみつけて、吹っ飛びそうな理性をかき集める。
 原因は何だ? やっぱハバネロか? 辛いもの食うと人格が変わるのか? おいおい、グレムリンかよ……
 ぐちゅっ、じゅぱっと粘ついた水の音が思考の邪魔をする。尖らされた舌が凹凸をなぞるように刺激してくる。
 ……グレムリンて何が駄目なんだっけ? 水と、夜のえさと、後は……じゃない、今はグレムリンじゃなくてLだ! 辛いもので変わるなら甘いもので戻るのか? しょっぱいものか? 辛いの反対? 赤の反対は?青か?緑か?
 どんどん考えがまとまらなくなっていく。しっかりしようと目を閉じたが逆効果だった。
 卑猥な音を立てて、Lが熱を送り込んでくる。今にも沸騰し、飛び出しそうだった。ドクドクと心臓の音が響く。太腿の内側を擦る髪の優しい刺激だけでも、叫び出しそうに気持ちがいい。もう、我慢も限界だった。
 俺は目を開けた。熱源を覆ったLの頭が激しく上下に動いている。毛先だけが軽やかにヒラヒラと揺れる。柔らかそうな光を返すあの髪に、指を絡めたらどんなに気持ちがいいだろう。
 毛先が丸まっていようと真っ直ぐだろうと、そんなのはどうでもいい事だ。
 戻らなきゃ戻らないでいいんじゃないか? どんなだって、LはLだ。
 俺は腕を伸ばしてLの髪に触れた。しなやかな黒髪をかき分け、指を埋める。俺の骨ばった不格好な指の間を細い髪がくすぐる。
 届かなくても、でも手を伸ばす事は出来る。
 敵わないとか劣ってるとか、そんなの踏み倒して、俺はLが好きだ……
 舌で包むように根本から強く扱かれた。身体がぞくりと震える。導かれるまま、俺は達った。
 ドクリと脈打った最後の一滴まで舐め取って、Lは顔を上げた。口の端に白く泡だった体液が付いている。それを指でぬぐい取り、ぺろりと口にくわえたところでLの動きが止まった。
 「…………」
 Lはうつむき、眉根に皺を寄せたかと思うといきなり立ち上がってかけだした。行き先は台所だ。
 慌ててズボンを引き上げ、俺はLの後を追った。
 「……平気か? L?」
 Lはシンクに身を乗り出して、口をゆすいでいた。俺に気が付くと口の中の水をはき出してこっちを向いた。
 「……とても食品とは思えない味がしたんですけど、大丈夫なんですか? あのお菓子。」
 くしゃっとしゃがみ込むと、疲れたようにおでこを調理台の上にのせた。
 「お、お菓子?」
 「ついさっき食べたじゃないですか。まさか見てなかったんですか?
  あんなひどい味だとは思いませんでした。ああ、カルピスが勿体ない。」
 俺はシンクに残る白っぽい液体をさりげなく水で流した。
 改めてLを観察する。背中を丸めてしゃがみこんでいる。イライラと親指を噛む。髪は元のストレートのぼさぼさ頭に戻っている。
 Lがくるりと俺に顔を向けた。精気も覇気もない目が、おもしろくなさそうにじとっと俺をにらんでいる。
 いつも通り、謎の異次元生命体。ここにいるのは間違いなく俺のよく知っているLだ。
 「決めました。
  あなたがなんと言おうと、あんなもの、もう二度と口にしません。」
 Lが元に戻って、喜ぶべきか悲しむべきか、俺はちょっと迷った。









エルムリンってカワイイだろうなあ、凶悪化って初期Lみたいになるのかなあ、と。・・・語るに落ちてますな。
タイトルと注意書きで内容予測付いた人多かっただろうなあ。反省。


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ほんっとごめんなさい。Lにしていただくのはあまりにも恐れ多いので、これは初期Lなんだと思って書きましたがそれでも恐れ多いですホント、ほんっとすんません、ええ、読んだ方がちびっとでも萌えてくれたらこんなもんかいたおれの罪はキャンセルされるんですが・・・ほんっとにごめんなさい。平身低頭。 _O/|_ 


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