ここ一ヶ月かかりっきりだった大口の契約がやっと今日成立した。
同僚達とも盛大に祝杯を挙げたが、それも終電を前にお開きになり、
担当者だった三原とその先輩は先輩の家で飲み直すことになった。
先輩はこの春結婚したばかりの新婚で、
この一ヶ月間、三原が残業の夜に先輩から聞かされる愚痴は「かわいい嫁に会えない」ばかりだった。
いったいどんなにかわいい新妻なのか、
と、忙しくて恋人に振られたばかりの三原は内心いらいらさせられたものだった。

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がちゃり、と開錠する音がして、団地の分厚い玄関扉が開いた。
細く開けられた玄関の隙間から先輩の妻の姿がちらりと見えた。
黒目がちの目が用心深そうに外をのぞいている。
その妻の姿に三原は少なからず驚いた。
嫁にしては長身の身体が、ひどい猫背にまるまっている。
黒い髪がぼさぼさに伸びていて、黒くて大きな目が前髪の隙間からのぞいている。
その目の下には、かなり印象的な濃い隈があった。

想像していたかわいい新妻とはずいぶん違う。

「おかえりなさい」
先輩の姿を確認すると妻はチェーンキーをはずし、三原たちを中に招き入れた。
「ただいま。
 三原、これ、俺の嫁さん」
「いらっしゃい、三原さん。主人がいつもお世話になっています。」
酔っ払った先輩のぞんざいな紹介とは対照的に、妻は丁寧に三原に挨拶した。

正面から見てもやはり先輩の妻は三原のかわいいの定義からかけ離れている。
しかし次の瞬間、三原が今まで培ってきたその定義は崩れていった。

奥さんが、深々とお辞儀をした。白いうなじが一瞬あらわになった。
細い首筋の上で、エプロンのピンクの紐が小さなリボン結びになって控えめに揺れる。
その光景はまたすぐに隠れてしまったが、リボンはいつまでも三原の脳裏で揺れ続けていた。

ちょ、ちょっとまて。なんだよ、この胸のざわめきは?

一人戸惑う三原をよそに、先輩は慣れた様子で妻にかばんを渡した。
「留守中、何にもなかったか?」
「・・・はい。あなたの手を煩わせるようなことは、何も」
奥さんは受け取った先輩のかばんを大事そうに胸元に抱えた。
まるでそれが先輩自身であるかのように、抱きしめるようにそっと。

・・・かわいい。かわいくて色っぽくてエロくてかわいくて・・・

先輩の奥さんのその姿を見て、三原はおもわず生唾を飲み込んだ。

・・・かわいくて。やべぇ、俺。

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奥さんのもてなしはいかにも新妻らしいものだった。
何種類もあるつまみのうち、何皿かは奥さんの手作りだった。
もっとも奥さんの手料理はなかなかに独創的で、
冷奴だと思ったら牛乳プリンだったり、
揚げ餃子と思ったら中身が餡子とバナナだったりして三原を驚かせた。

「悪いな。うちの嫁、すごい甘党でさ、いつも俺も参ってんだ」

先輩のノロケともフォローともつかないせりふに三原はいらだった。
それを紛らわすために酒をあおる。
空になった瓶を取替えに奥さんが台所とリビングを往復する。
細い腰で淡いピンク色のエプロンのリボンがヒラヒラと誘うように揺れる。
その後姿をじっと見送っている自分に気づき、頭を左右に振って三原は再び酒をあおる。

ナニ考えてんだよ俺! 仮にもあれは先輩の奥さん! やべぇだろ、いくらなんでもよ!

いつの間にか三原も先輩も完全に酔いつぶれ、二人はテーブルに突っ伏して眠ってしまった。

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「あなた。あなた? 眠っちゃったんですか?」
人の声がして三原は目を覚ました。
見ると、隣で奥さんが先輩の肩をゆすっている。
先輩はちっとも起きそうにない。
あきらめて顔を上げた奥さんと目が合った。
「すっすみません、なんか眠ってたみたいで・・・」
「いえ、構いません。もともとお泊めするつもりでしたから。」

三原は改めて、まじまじと奥さんの顔を見た。
独創的というか、特徴的というか、ともかく世間一般のかわいい顔ではなかったが、
独特の艶があった。
さっき先輩が無理やりグラスを押し付けてちょっと飲ませたので頬にうっすら朱が差している。
唇も綺麗なピンク色。
それが奥さんの艶をますます際立たせていた。
体の奥に感じる燃えるものはただのアルコールだろうか、それとも欲望だろうか。

「三原さん、客間に布団が用意してありますけど、その前にお風呂はいかがですか?」
三原の心など知る由もなく、新妻は穏やかな声で訊いた。
「あ、はい、ありがとうございます。」
うなづいて新妻は立ち上がった。
三原もそのあとに続く。
酔いのせいか、視界の隅がゆがみ足元はおぼつかない。
ふらついたフリをして奥さんに後ろから抱き付いてみようか。
三原はその時の感触を想像した。
その想像は泥沼のように三原を引きづり込もうとした。

ナニ馬鹿なことを。居間には先輩もいるし、大体奥さんは人妻だぞ!?

理性が必死に警告を発している。
しかし三原は、人妻というフレーズがかえって卑猥に聞こえて逆効果であることを
再確認できただけだった。

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「こちらです」
ドアを開け湯気の立ち込める浴室に奥さんは入った。
三原もあとに続く。
「シャワーを使う時はこちらにひねって、蛇口の時は逆です。温度調節はこちらの・・・」
奥さんの丁寧な説明も三原は上の空だった。
ほとんど視姦するように奥さんを上から下まで見続けた。
「・・・では、ごゆっくりどうぞ」
出て行こうとする奥さんを三原は呼び止めた。

「大きなお風呂ですね、奥さん」
「・・・そうですか?」
唐突な三原の言葉に新妻は怪訝な顔だ。
「やっぱり、先輩と一緒に入ったりするんですか? 若奥さま?」

三原の理性は本能の抑制に疲れていた。
もういい。
情けないけど、ここで先輩と奥さんがヤッてるところでも想像して、
一人で抜いて終わりにしよう。
そうすれば何事もなく終わる。
このせりふだって、酔っ払いの冗談で済まされるはずだ。

しかし、新妻の反応はそんな三原の意に反するものだった。
「何、馬鹿なことをおっしゃってるんですか?」
新妻はじっと、何の感情もこもっていない目で三原を見詰めた。
三原の希望としては、新妻には照れてはぐらかしてもらいたかった。
そうでなければ、軽蔑の目で非難してくれればよかった。
何の感情もこもっていない目は、逆に三原の全てを否定し、馬鹿にしているように思えた。

せっかく俺が、大人しく身を引いてやろうと思ったのに・・・!

気が付くと三原は新妻の唇に荒々しく自分の唇を押し付けていた。

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「何するんですか!?」
新妻は三原を突き飛ばした。
そのまま逃げようと浴室のドアに手を伸ばしたが、その腕はドアノブに届く前に三原につかまれてしまった。
「逃げなくてもいいじゃないんですか。たぶん奥さんも嫌いじゃないことのはずですよ」
「・・・なんのことです? 主人を呼びますよ?」
三原は空いているほうの手で蛇口をひねった。
温かなシャワーが二人の上に降り注ぎ、盛大に水音を立てる。
「先輩に、奥さんの声は聞こえませんよ。
 それに、酔いつぶれて眠ってる人間に助けを求めてどうするんです?
 他にするべきことがあるんじゃないですか?
 例えば、ほら。」

三原の手が新妻のシャツの襟元から中に滑り込んできた。
指先は明確な意識を持って何かを探し、その胸をまさぐっていた。
「やめてください。そこは・・・!」
「そこっていうのはここですか?」
三原はすでに探り当てていた乳首を二本の指でキュッとつまみ上げた。
新妻は耐えるように息をつめる。
「ここがどうしたって言うんです? ここを触られると、気持ちいいとか?」
こりこりと乳首をつまんで転がす。
あっという間に先端が硬く尖り始めたが、
新妻はぎゅっと目をつぶり、反応を返さない。
「聞こえてないんですか? 耳がどうかしたのかな?」
そうささやくと、三原は舌を耳にねじ込んだ。
「! いや・・・」
新妻は一度身をよじって三原から逃げたが、すぐに壁にぶつかり三原の舌に捕らえられた。
くちゅくちゅといやらしい水音が、まるで頭の中でしているようだ。
どうしてこんなことを・・・
新妻は舌責に耐えつつ三原をにらみつけた。

三原は鏡に映った自分の姿を見ていた。
シャワーが降り注ぐ中、スーツ姿で人妻を無理やり抱こうとしている。
自分の行動が信じられなかった。
まるで何か尋常ならざる力に操られている気分だ。
三原はエプロンの下に手を入れ、ジーンズを脱がせようとした。
奥さんはびくりと身を縮こまらせたが、それ以上の抵抗は示さない。
ジーンズの留め具も、シャワーで濡れているというのにすんなりと外れた。

やっぱり、何かが俺に、この人を抱けって言ってるのか?

三原は奥さんの下半身から衣服を剥ぎ取った。
そこを隠しているのは、もはや頼りない淡いピンクのエプロンだけだ。
それすらもシャワーに濡れて太ももに張り付き、むしろ淫らに奥さんの秘所を彩っている。
三原はそこをエプロンの上から手で包み込んだ。
ゆっくりと揉みしだくと、それは即座に反応して形を変え始めた。
「奥さん、わかりますか? 奥さんのここは正直ですね」
新妻はただ、眉間にしわを寄せ、必死で耐えている。
三原は新妻の大事な部分をキュッと手の中で締め上げた。
「! いやですっ!」
「いや? 奥さんの口はうそつきですね。ここはもうこんなになってるのに。」
三原が手をはずし、その部分を新妻に見せ付ける。
ピンクのエプロンは持ち上げられ、先端に花が咲いたように白いしみが出来ていた。
新妻は否定するように首を振った。
濡れた黒髪の先から飛ぶしずくが涙のようだ。
「どうして、こんな、酷い事を・・・」
三原はその問いに答えられない。
黙って再び新妻のものを刺激し始めた。
「あっ・・いやっ・・イヤです・・やめてください・・三原さん・・!」
名前を呼ばれた瞬間、三原はなんともいえない気分になった。
取り憑かれたように三原は新妻をしごいた。
「三原さん・・やめて・・いや・・三原さん・・
 ・・そんな・・ひどく・・しないでっ・・三原さんっ・・みはらさんっ!!」
最後はうわごとのように、夫ではない男の名を呼びながら、新妻は白いものを吐き出した。

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新妻は呆然としていた。
私は一体、何をしているのだろう。
夫ではない男に好いように体をいじられ、射精してしまった。
そこまでは、いいだろう、不可抗力だ。
嫁の力では男にはかなわないし、触れられれば勃起するのは生理反応だ。
けれど、今の心の昂ぶりは一体・・・?

新妻が呆然としているうちに、三原はその体を前に倒した。
両手を壁の鏡につけて、尻を自分の方に突き出させる。
新妻の白い双丘と鏡に映った顔が一度に楽しめる、淫らな構図だった。
三原はボディソープを手に取り満遍なく指に絡めると、新妻の秘孔にぷつりと指を差し込んだ。

「いやだ! 三原さん、やめてください!」
新妻が我に帰ったように声を上げた。
体を動かし逃げようとするが、三原がしっかり腰を抱えているので嫁の力ではどうしようもない。
「動かないで。もう中に一本入っています。わかりますよね?」
「・・・どうして、こんなことをするんです?」
震える声で新妻が訊いたが三原は答えない。
「奥さん。奥さんの中は素敵です。熱くて狭くて、絡み付いてくる。
 先輩がうらやましいです。いつも二人で楽しんでいるんですか?」
「・・・」
新妻は答えない。
三原は指を中で軽く曲げ、ぐるりと回した。
声にならない悲鳴を上げ、新妻は白い背中をのけぞらせた。
「答えてくださいよ。先輩とは、いつも?」
「・・いつもじゃ・・ありません・・。お互い・・このところ・・忙しかったから・・」
途切れ途切れに新妻は言った。
訊きながら三原は指を増やしていく。
その度に、シャワーの音に隠して、新妻は押さえきれない声を漏らした。
「もったいない。奥さんはこんな素敵な体を持っているのに。
 それじゃあ、毎晩一人で?」
「・・・・・・私は・・・そんな・・・・・・」
新妻は弱弱しくかぶりを振った。
上の口からは頼りない言葉と苦しげな吐息が漏れていたが、
下のほうではぬらぬらと光る三本の指が出し入れされている。
指が抜かれるたび、引きとどめるように新妻の体は指を締め付けてきた。

身体は正直だ。

三原は一人、ほくそえんだ。

「『私はそんな』の続きはなんですか? 淫乱じゃない? 
 なら、奥さんの上の口はうそつきです。
 下のほうは、ほら、こんなにおいしそうに俺の指を食べてる。」
「・・・違います・・・」

嘘だ。
まるで自分だけは違うみたいに言いやがって。
その理性の仮面を引き剥がしてやる。

「奥さん、何でこんなことをするかと訊きましたよね。
 俺じゃありません、奥さんが求めてるから、こんなことをするんです。」
三原は一気に指を引き抜くと、代わりに自分自身をその穴の入り口に押し当てた。
「奥さんが、淫乱だからです。俺が証明してあげますよ。」

******************************

私が・・・淫乱?
精神的な衝撃が収まる前に、さらに大きな肉体的な衝撃が新妻の体を襲った。
三原の突き上げは激しく、意識がばらばらに砕け散りそうだ。
身体は感覚の濁流に押し流されていく。
その上で、風に舞う木の葉のように思考が揺れ動いていた。
私が、淫乱?

時に激しく、時にゆっくりとじらすように、
微妙な変化をつけながら三原は新妻の中で動いていた。
「奥さん、わかりますか?
 奥さんの中に俺がいる。」

「・・・やめて・・ください・・」

「奥さんの中は、最高に気持ちいいですよ。
 熱く、蕩けて、俺とひとつになろうとしてる。
 奥さんも、感じてるんでしょう?」

「・・そんなのっ・・知りませんっ・・」

「今までずっと、旦那さんは仕事で帰ってこないし、一人でさびしくて」

「・・みはらさんっ・・ちがい・・ますっ・・やめて・・ください・・」

「こんな団地の一室で、いつも一人で、どうしてたんです?
 指もスムーズに入ったし、してなかったわけじゃ、ないですよね」

「・・みはらさんっ・・やめっ・・」

「欲しかったんですよね? これが。
 身体と、心の穴を、満たしてくれる、熱くて大きいものが。
 ほら、引き抜こうとしても、こんなに俺のに喰いついてくる。」

「・・しら・・なっ・・みはら・・さんっ・・・」

「誰のでもいいから、なんでもいいから欲しいんでしょう?
 奥さんは淫乱だから
 俺のでも、先輩のでも
 この隙間に、何か埋めたくて、堪らないんだ。」

一瞬、いくつかの光景が脳裏をよぎった。
フラッシュバック。
あの夜、私は何を、一人で、しようとした?
何を感じていた?
何を欲していた?

「・・・・・ちがうっ!!」


その一言を聞いて、三原は自分自身を新妻の中から完全に引き抜いた。
二人の荒い呼吸だけがシャワーの音に混じってバスルームに響いている。

「・・・違うんですか。じゃあ、失礼しました。やめにします。」
新妻は三原の声をどこか遠くに聞いていた。
心も身体も、まだあの津波のような衝撃の余韻に揺さぶられている。
けれどもとにかく、その原因は出て行った。
終わったのだ。少なくとも負けはしなかった。
私は、そんなものではない。
そう思いたかった。

三原が手を伸ばし、シャワーを手に取った。
「石鹸、洗い流しますね」
三原は無造作に、ピンクに色付きヌラヌラと光るその場所へシャワーをかけた。
「ひぁ! ぁああっ!!」
不意をつかれ、新妻の口から嬌声が漏れた。
「奥さん、これは、ただの、水ですよ?」
わざとらしくゆっくりと、三原は言った。
「すごいですね、まだひくひく動いてる。」
純粋な興味、とでも言いたげな手つきで三原はそこに触れた。

「! ぁああっ!!」
ただ指が触れただけで、新妻の身体に叫びださずに入られないような感覚が駆け巡った。

それだけではない。
三原の指は、その上に軽く置かれているだけだ。
なのに、その穴からつながる空間が、再び収縮を始めている。
まるで何かがその空間に侵入してきて、満杯になるまで満たしてくれるのを待っているかのように。
まるで入り口でじっとしているモノを、夢中で吸い込もうとしているかのように。

新妻は呆然と頭を左右に振った。
頼りない否定だった。
身体の中に空っぽの空間がある。
空間はそれ自体が生き物のように蠢き、貪欲に熱を求め、刺激を求め、快感を求め、身体の中で増殖していく。

違う。これは違う。
これはただの生理反応だ。

顔を上げると鏡の中の自分と目が合った。
額に張り付いた黒髪、
暗い光を放つ潤んだ瞳、
あえぎ声を上げたときのまま、物欲しげにあけられた口。

これは誰だ?

これが、私?

新妻の身体の奥で、空っぽの空間が「何か」を求めてのた打ち回っている。
入り口に「指」が触れている。

虚無、欠落、不足、渇望、飢え、足りない、欲しい、ほしい、ほしいほしいほしい・・・

『奥さんは淫乱だから、この隙間に、何か埋めたくて、堪らないんだ』

違う、私はそんなものではない。

新妻は夫の顔を思い出そうとしたが、ぐるぐると駆け巡る言葉がその顔を打ち消した。

空っぽ、足りない、たりない、欲しい、ほしい、ほしいほしいほしい・・・

自分からお尻を突き出して、入り口にとどまっている男の指を飲み込もうか。
浮かび上がってきそうなそんな考えを否定するだけで新妻は精一杯だった。
立ち上がって三原の手を振り払うことが、どうしても出来ない。

「奥さん、本当に、奥さんは淫乱じゃないんですね?」
三原の声に、奥さんはびくりと身を震わせた。
「もし、声に出して認めたくないだけならそれでもいいんです。
 うなづくだけで、俺はいくらでもあげます。
 奥さん、あなたは淫乱で、そして今、俺が欲しい。
 違いますか?」

私が・・・・・・淫乱?

心とは裏腹に、身体は待ちきれないといわんばかりの一段と激しい収縮を始めた。
硬い肉の棒をかみ締めることを、熱いほとばしりを受けることを、身体が待ち望んでいる。
身体の中の空虚は精神にとっては絶望だった。
その空虚に新妻はついに捕らえられた。
意志の強い黒い瞳から涙があふれた。

わたしは、いんらん・・・

「みはら、さん・・・」
新妻の口から言葉がこぼれた。
「みはらさん・・・ください。」

手に入れた!
あの潔癖そうな先輩の奥さんが
こんなヤラシイ格好で
俺を求めてる!!

狂気じみた歓喜とともに、三原は奥さんの身体に深く突入した。
そのまま激しい抜き差しを繰り返す。
「あっ! ああっ!! 三原さん!! おっお願い!! そのまま! 中にっ!!!」
新妻の願いは聞き入れられ、二つの声がバスルームにこだました。

******************************

全ては終わった。
新妻は流れ続けていたシャワーを止めた。
三原は後悔していなかった。

全ては、奥さんが俺に求めてきたことなのだ。
奥さんの本能が男を求めていた。
俺はその引力に惹かれてしまったに過ぎない。

男の身勝手な幻想かもしれない。
しかし三原の体を満たす充足感が、この関係は間違っていないと告げていた。

「・・・ずぶ濡れですね」
奥さんが濡れた髪を手でしぼった。
指先から大粒のしずくが垂れていく。
「三原さん」
奥さんが顔を上げた。
その表情は、何事もなかったかのように元通り、穏やかなものになっていた。
「服、脱いでください。今から洗えば朝までには乾きますから。」
奥さんの手がゆっくりと伸びてきて、三原のネクタイをはずした。
濡れたネクタイを丸めて、両手で胸元に抱えて、奥さんは微笑んだように見えた。

何もなかったことにして、忘れようっていうのか?

「奥さん、それは・・・」
三原の声を奥さんが制した。
「朝までには乾きますから。
 だから、服が乾くまでは、二人で裸でいましょう。」
奥さんの白い指がエプロンのリボンを解き、濡れた薄布は落下してぴしゃりと水音を立てた。








糸冬     

着想は本スレでの妄想話より。
バナナ餃子と牛乳プリンは書き手の趣味。L、嫁に来て作ってくれー。


おまけ

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